〜リヤキャリパーオーバーホール〜

ブレーキフルードが漏れているのを発見し、キャリパーオーバーホールをしました。
まずは結論から。キャリパーオーバーホール、いいです!(^o^)古い車に乗っている方は是非オススメです。ただし、自信のない人はプロに頼んだ方がいいと思いますが。
まず、キャリパーの各パーツの動きがとてもスムーズになります。これは走行にもかなりいい影響を与えると思います。実際、前回パッドを交換したときにピストンの動きが異常に固く、そこで無理をしてフルード漏れになったのかもしれません。
次に、キャリパーの構造がわかり、今後の整備人生にとてもいい経験になると思います。いままでもだいたいの仕組みは分かっていたつもりですが、やはり実物を分解して組み上げるとより理解が深まると思います。今後トラブルが起きたときにも何らかの役に立つはず。こんなとき、自分で作業してよかったなーって思います。
今回は写真も多くして細かく解説します。重くなっちゃった方はごめんなさい。m(_ _)m
b_r_overhaul_01 これがオーバーホールキットです。パッキン等再使用不可の部品がセットになっています。これらは再使用せず、必ず新品を使いましょう。
品番AY620NS004。値段は4,090円です。リヤ用はフロント用に比べて部品点数が多いので若干値段が高いです。
また、これ以外にもキャリパーとブレーキホースをはずすので、銅製のパッキンが1箇所につき2つずつ要ります。
品番46237A4600。値段は1個150円でした。
また、丁寧にやってもある程度フルードが漏れてしまうので、フルードも用意しておきましょう。
あと、フルードがこぼれたりするので、ブレーキクリーナーを大量に用意しておくといいと思います。
b_r_overhaul_02 これがオーバーホールキットです。いろいろありますが、今回はキャリパー本体は洗浄のみとしたので少し部品があまります。
リヤキャリパーの本体のオーバーホールは素人は難しいとのことだったので今回はやめました。いつか、機会があったら挑戦しようと思います。
b_r_overhaul_03 では、作業に入ります。
まずはお約束のジャッキアップ&ウマかけ。ジャッキアップしたままの作業は大変危険ですので、車の下にもぐらないときでも必ずウマをかけましょう。安全第一!
で、タイヤをはずします。
んー・・・かなりホイールの塗装がはげてしまってるなー。(-_-;)また塗りなおす必要がありそうです。
b_r_overhaul_04 で、これが問題のキャリパー。全体的にフルードでしっとりとしています。
b_r_overhaul_05 ここ!ピストン付近からにじみ出たフルードがここからしたたってました。(+_+)そんでホイールの塗装が縮んではげちゃったわけです。
b_r_overhaul_06 ブレーキホースをはずすために12mmのユニオンボルトを緩めます。
緩み始めるとすぐにフルードが漏れてくるので、下に受け皿を置いておくといいです。さらに、素早くホースに蓋をしてそれ以上フルードが漏れないようにします。
b_r_overhaul_07 次にキャリパー本体をはずします。キャリパー上部の14mmのボルトを緩めます。
b_r_overhaul_08 キャリパー下部の14mmのボルトを緩めます。で、上下のボルトをはずすとキャリパー本体がはずれます。
b_r_overhaul_09 パーキングブレーキのワイヤーをはずします。
ワイヤーはピンで固定されているのでプライヤー等でつまんではずします。
b_r_overhaul_10 キャリパー本体がはずれました。
ここでキャリパーからパーキングブレーキのワイヤーをはずします。
b_r_overhaul_11 はずれたキャリパー。
b_r_overhaul_12 ピストンをはずすのですが、リヤは割と簡単です。パーキングブレーキのロッド部分を動かせばピストンがかなりでてきます。
しかし、全部はでないので残りはパッド交換のときのようにピストンを回して抜き取ります。
リヤのピストンはまわすと動きます。
右に回すとピストンが沈んでいき、左に回すとでてきます。今回ははずすので左に回します。
写真のような専用工具もありますが、なければラジオペンチ等でもできますよ。ピストンを傷つけないように。
b_r_overhaul_13 ピストンがとれたキャリパー。きたなー!!!(+o+)
b_r_overhaul_14 で、ピストンシールをはずします。
錆びまくってます。ピストンシールやダストブーツがはまる溝が埋まってます。こりゃ漏れるわけだ。(´o`;)
b_r_overhaul_15 布でみがいたり、ブレーキクリーナーをかけてりして、ピストンをきれいにします。が、一部キズがついて錆びてしまっています。これはどうしようもないので、このままにしますが、支障があれば交換する必要がありそうです。
b_r_overhaul_16 ピストンの中身。ハンドブレーキ用の機構がついています。
サークリップをスナップリングプライヤーではずすと分解できます。
あとで組み立てないといけないので順番を忘れないように。はずしたものから順番に並べていけば安心だと思います。
b_r_overhaul_17 分解し、洗浄したところ。左から順番にはめていきます。
b_r_overhaul_18 バルブの先端のパッキンを新品に交換します。
b_r_overhaul_19 で、組みます。順番を間違えないように。
b_r_overhaul_20 キャリパーはひたすらブレーキクリーナーをかけてきれいにします。
また、溝にびっちりついていた錆はとがった工具でできるだけとりました。
ここまできれいになりました。
b_r_overhaul_21 ピストンシールにキット付属のラバーグリスを塗り、キャリパーに組みます。
b_r_overhaul_22 こんな感じ。
b_r_overhaul_23 で、ダストブーツをピストンにはめ、キャリパーの溝にうまくはめます。ここは少しコツが要るかもしれません。
ダストブーツがキャリパーの溝にはまったらピストンを右に回して組み込みます。
組み込んでいる時点で既にオーバーホールの効果を体感!はずすときは動きがかなりシブかったのに、スムーズにはいっていきます。いい感じです。(^-^)
組み込み完了図。
b_r_overhaul_24 ピストンはある位置までいくとまわしても沈まなくなります。最後は写真の場所に溝をやっておきましょう。でないとパッドのぽっちにつっかえて取付できなくなってしまいます。
b_r_overhaul_25 パッドとアタッチメントもきれいにします。
b_r_overhaul_26 キャリパーサポートもはずしてきれいにします。
上下17mmのボルトを2つはずせばとれます。
b_r_overhaul_27 で、キャリパー同様ブレーキクリーナーできれいにします。
また、スライドピンはきれいにしたあと、ラバーグリスをたっぷり塗って新しいダストブーツを組み付けます。
写真はそれらが終わったところです。
b_r_overhaul_28 それぞれのパーツがきれいになったら、はずした逆の手順で組みます。
ここは大変重要な部品なのでボルトはきっちり締めましょう。もしも走行中に緩んだら大変なことになってしまいます。
b_r_overhaul_29 キャリパーを取り付けたら、新品の銅ワッシャーを使ってブレーキホースをつけます。
b_r_overhaul_30 ブレーキホースをキャリパーの溝にはめるのを忘れずにこれを忘れるとホースの取り回しがおかしくなり、ユニオンボルトもうまく締まりません。
ユニオンボルトが完全に締まったら、エア抜きをする前にキャリパー付近をブレーキクリーナーできれいにしておきましょう。完全に乾いた状態にしておかないとフルードが漏れてるかどうか確認できないので、クリーナーをケチらずにしこたまかけてきれいにしましょう。
最後にフルードを補充しながらエア抜きをして完了です。\(^o^)/漏れの確認も忘れずに。
以上です。重要な部品ですし、慎重に作業をしないといけないですが、作業自体は割と簡単です。ダストブーツを溝にはめながらピストンをキャリパーに組み付けるところが少し難しいくらい。オーバーホールキットも高くないし、時間もあまりかかりません。クドいようですが、オススメですよ!
b_r_overhaul_31 ☆追加☆
後日、もう片方のキャリパーをオーバーホールしているときに、ちょっといいこと思いつきました。
キャリパーがあまりに錆びていたので、試しに横に転がっていたCRCを吹き付けて少し待ってみました。すると、ピカピカとまではいきませんが、少しはきれいになりました。
CRCは金属を痩せさせるとの噂もあり、あまり多用するとよくないことが起こるかもしれませんが、たまのオーバーホール時位は問題ないかも?
もっといい方法もあるかもしれませんが、とりあえず、手近のものでできるということで。
で、こんな感じ。写真じゃあまりきれいに見えんか。(@_@;)でも、現物はまーまーきれいになってましたよ。