〜タービン流用(S14)〜

難易度  ★★★★☆
作業時間 1日〜2日
必要工具 各種スパナ、各種ソケット、エクステンションロッド、ユニバーサルジョイント、金槌、丸棒ヤスリ(直径5mm位のもの)、その他いろいろ

世間で評判のいいS14タービン。これが手元にあったので(詳しくは☆自己紹介・過去の車歴☆参照)、つけてみました。
雑誌等ではボルトオンとか書かれていますが、実際は・・・まーボルトオンっちゃーボルトオンだし、ボルトオンじゃないっちゃーボルトオンじゃないって感じ?(どんなだ?)
ほとんどはボルトオンなのですが、そこはやはりある意味タービン交換な訳で、体力的に結構しんどいです。排気系はボルトがサビて固着してるし、V6程じゃないにしても狭いエンジンルームからタービン一式をとったりはめたりしんといかんので。しかもそれらがやたら重い!
さらに、ヤスリで削らないといかん部分もあるし(ここは有名ですが・・・)、その他いろいろ予想外のことがおき得ます。
工具の欄にその他いろいろと書いたのもそのためで、起こったトラブルにいろんな工具を使って臨機応変に対処しましょうってことです。
とは言ってもプライベーターを自称する人なら誰もがやってみたいという(?)タービン交換。S14タービンはオークションで安くでてることもあります。成功すれば効果もあるし、整備の腕も上がること請け合いです。
説明不足の部分もあるとは思いますが、S14タービンを流用したいという方は参考にしてみてください。あ、最後に、作業をするときはガスケットや銅ワッシャー等消耗品の新品を用意するのを忘れずに。
※※※ 注意 ※※※
実際にこの作業をしたときは手元にカメラがなかったので作業風景を撮れませんでした。(+_+)なので、これは、トラブル対策のマフラーもげた事件のときの画像です。
ちがうポイントとしては・・・
・最初からS14タービンがついている。
・ウォーターライン、オイルラインがステンメッシュ化されていて、さらにウォーターリターンについてはS14同様ラジエターホースの辺りに戻っています。これはS13だとエンジンとバルクヘッドの間にあります。これについては画像で説明します。
・・・そんなとこかな。あとの手順はほとんど変わらないと思います。
turbine_14_01 まずは準備から。
車のフロントをあげてウマにかけます。ジャッキのままだと大変危険なので必ずウマにかけるか安全な方法をとりましょう。
そして、アンダーパネルをとって、クーラントを抜きます。エンジンオイルは抜かなくてもそんなにこぼれないので大丈夫です。しかし、せっかくジャッキアップしたんだし、ついでに交換しとくと気分いいですね。
turbine_14_02 まずは下回りから。フロントパイプをはずします。
14mmのナット3つをはずせばとれます。ちなみに、ここはサビたりしてかなり固く締まってることが多いので頑張ってとりましょう。CRCを吹いてしばらくしてからやってもいいかも?
turbine_14_03 オイルリターンパイプをはずします。
turbine_14_04センサーのカプラーをはずします。
あと、ブローバイ関係のホースもはずしていきます。
turbine_14_05 EAIシステムです。
これも邪魔なのではずします。
turbine_14_06 ちょっとスッキリしました。
つづいて、タービンのインテーク関係のパイピングもはずします。
ちなみに、矢印の先の物体は排気温度計のセンサーです。ある人は当然はずしましょう。ない人は気にしなくてもいいです。
turbine_14_07 次にエキマニの遮熱板をはずします。
turbine_14_08 10mmのボルト4つでとまってるので、それぞれはずします。
turbine_14_09 こんな感じ。
さらに、パイピングをはずしていきます。
はずせるものはなるべくはずしましょう。そのほうがエンジンルームからタービン一式をとりだすときに楽です。
あと、ここで、ウォーター&オイルラインのエンジン側をはずします。
画像の丸印の三ヶ所です。
turbine_14_10 別の角度から。
上がウォーターフィード、下がオイルフィードです。
turbine_14_11 これがノーマルのウォーターリターンの場所です。
我が車は既にS14版になってるので、元々リターンホースがついてたところに蓋がしてあります。
ここはノーマルはリターンホースが12mmのボルトで締まってるので、緩めてとりましょう。狭い場所なので大変ですが、頑張ればとれます。
turbine_14_12 するとあとはエキマニのボルトをはずせばタービン一式がとれるはずです。
14mmのナット8個でとまってるのですが、はずすときは外から順番に緩めていきましょう。締め付ける場合は逆に内側から順番に締めていくことになります。
ここも固くしまってるので、慎重に作業しましょう。ここでネジが舐めてしまったら・・・。<<<(´д`)>>>とにかく慎重に。
ほとんどのナットは工具がきちんと届くようになってますが、2番と3番の下側のナットが普通には工具が届きません。
そこで、画像のようにエクステンションロッドとユニバーサルジョイントを組み合わせて使います。
turbine_14_13 こんな感じ。
turbine_14_14 無事にエキマニのナットをはずせたらタービンをエキマニごとエンジンルームから抜きます。
この際、いろんな部分が干渉するのでそれぞれを傷つけないように注意しましょう。
また、ウォーター&オイルラインがノーマルの人は曲げないように気をつけてください。曲げたり折れたりしちゃうと後々かなり面倒になるみたいです。
タービン一式がとれました。
turbine_14_15 タービン一式がとれたあとのエンジン。汚ー。(>_<)
turbine_14_16 PS13タービンとS14タービンの比較です。
だいぶS14タービンのが大きいですね。
turbine_14_17 タービン周りの部品を移植します。
画像はS14タービンにスタッドボルトをセットしてるところ。ダブルナットという手法を使います。スタッドボルトは新品を使うことをお勧めします。
その他もろもろ移植します。アクチュエーターや遮熱版等、取り付けましょう。
turbine_14_18 念のため、オイルリターン。
turbine_14_19 オイルフィード。
turbine_14_20 ウォーターリターン。
turbine_14_21 ウォーターフィードです。
turbine_14_22 それぞれのパイプやエキマニをとりつけました。
我が車はヤフオクで購入したクーラントの取り回しをS14版にするというステンメッシュにしました。
ここをノーマルのままにするときは、ノーマルに近い感じで取り付けて現車合わせですこしずつパイプを曲げてセットするみたいです。ただ、ウォーターリターンがエンジンとバルクヘッドの間にあるので、とても面倒だと思います。自分は今後の整備性も考慮してS14版に変更しました。上でも書きましたが、ノーマルのホースに蓋をして、ラジエター→エンジンの部分の部品をS14のものに変えて、そこに戻すようにしています。
turbine_14_23 それがこれ。
丸印の部分がPS13では穴が開いていないが、S14用はネジがきってあります。
これに交換することで、ウォーターリターンホースをここにセットすることができます。
turbine_14_24 こんな感じです。
ノーマル版でいく人はここは無視してください。
turbine_14_25 本題に戻ります。
これエキマニ←→タービンの部分です。ナットのとこに金属の板みたいなのがありますね。これはロックプレートといって、ボルトが緩むのを防ぐものです。
タービンは金属が熱膨張したり戻ったり、また、振動もある部分なので、ナットが緩みやすい場所です。ロックプレートは大事ですので、必ずつけましょう。
turbine_14_26 アウトレットパイプとオイルリターンパイプをつけます。
写真ではアウトレットパイプに派手にクラックが入ってますが、気にしないでください。(^-^;)
ちなみに、これは有名な話なのですが、S14タービンにPS13のアウトレットパイプを付けると穴が一箇所合いません。なので、ここはヤスリで削って長穴加工をします。だいたい2〜3mm削れば大丈夫だと思います。
オイルリターンパイプもPS13版を使う場合は長穴加工しないといけません。しかし、ここはヤスリさえもっていれば現物合わせで何とでもなると思います。あと、ホースの長さに余裕があればいいのですが、ない場合はパイプを曲げる必要があるかもしれません。
あと、タービンのコンプレッサー側のインテークパイプ(画像で『これ』となってるやつ)なのですが、上の比較画像でもわかると思いますが、角度が違います。ネジの位置等は一緒なので、ショップではパイプを切って角度を変えて溶接しなおすことが多いようです。しかし、私はアルミを溶接する設備がないので、角度をずらすアダプターを作成しようと思ってます。
ちなみに、画像の『これ』はS13(CA18DET)用です。実際は下の画像のものを使用します。
turbine_14_27 これがPS13(SR20DET)用です。
turbine_14_28 このようなアダプタを作成して角度をPS13用に角度をあわせます。
turbine_14_29 インテークはあとにまわしといて、まずはエキマニ&タービンをエンジンに組んでいきます
エキマニを組みながら、オイル&ウォーターラインを組みます。
エンジンルームのスペースにタービン一式を入れるのはちょっとコツが要ります。
やり方としては、まず、アウトレットパイプが下にくるように斜め縦にして、下のほうに持って行きます。その後、知恵の輪のように規定の場所にタービンをもっていくのです。
これは文ではうまく説明できないので、何とか頑張ってください。オイル&ウォーターラインを傷つけないように。。。
turbine_14_30 できた!!!\(^o^)/
turbine_14_31 アクチュエーターがあると狭いエンジンルームでうまくタービン一式をスペースに入れれないのでとっていました。
ここまできたらつけても大丈夫です。
turbine_14_32 下に潜ってウォーターリターンホースを取り付けます。
また、アウトレットパイプとフロントパイプもボルトで締めます。
turbine_14_33 あとはインテーク関係です。
タービンにアダプターを取り付けます。角度がこれ位変わります。
turbine_14_34 パイプを取り付けます。ちなみに、アダプターのボルトとパイプが干渉してしまうようだったら支障がない程度にパイプのフランジを削りましょう。今回は少し削りました。
いい感じの角度になりました。
turbine_14_35 インテークを取り付けます。
turbine_14_36 タービン出口側のパイプの角度も少し変わります。ここもアダプターを作ってもいいのですが、ここは2つのゴムパイプを交換すれば結構しっくりきます。
turbine_14_37 ちなみに・・・
PS13タービン版@。
turbine_14_38 S14タービン版@。
ゴムパイプを交換したもの。
turbine_14_39 PS13タービン版A。
turbine_14_40 S14タービン版A。
角度の違いがわかるでしょうか?
turbine_14_41 さらにちなみに・・・
PS13タービンです。
turbine_14_42 S14タービンです。3つのボルト穴の角度が違いますよね?
turbine_14_43 最後にOセンサーやブローバイホース等、いろいろ外したパーツを取り付けて完成!\(^o^)/\(^o^)/\(^o^)/
以上でS14タービン流用は終わりです。
しかし、細かいところで個人の裁量がたくさんあります。インテークの角度の違いの解決法、オイル&ウォーターパイプの取り回し、ボールベアリングタービンなので人によっては水温の上昇を嫌ってウォーターラインを殺してオイルのみにする場合もあるでしょう。
これらを解決しなければなかなか流用はできません。
しかし、最低限の知識と豊富な工具、そして何より気合と体力があれば何とかなります!
実際に雑誌で掲載されて説明されているほど簡単ではありませんが、ターボ乗りとしてタービン交換は一度はやってみたいものですよね?整備の練習もかねて一度やってみてはいかがでしょうか。
あ、最後に燃調をあわせるのを忘れないでくださいね☆